神のみぞ知るセカイ―神と悪魔と天使 [☆☆☆☆]
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「ボクは助けられたのか、あの、天使みたいな女の子に――」落とし神・桂馬が出会ったのは、桂馬が苦手とする属性をもつ不思議な女の子。その少女を攻略することになり、苦戦を強いられる桂馬の前に、もう一人の「駆け魂」の持ち主も現れて……? ギャルゲーの天才、「落とし神」とも呼ばれる少年・桂馬と、地獄から派遣された可愛い悪魔・エルシィが現実の女の子を攻略する『神のみぞ知るセカイ』。「週刊少年サンデー」の人気連載コミックをラブコメのスペシャリスト、有沢まみずがオリジナルストーリーでノベライズ!!
個人的に大好きな作家であるまみず先生が書いたノベライズということで発売日にとっとと購入して一時間で読了してしまった。まみず先生の描く軽快な文体が、神セカという作品の世界観と見事なまでに親和性が高いおかげで一気に読めでしまった。素晴らしい。個人的にはまみず先生はラブコメのスペシャリストというより、ラブコメ展開を利用したギャグのスペシャリストだと思うんだが、その辺りは詮無きことか。
コミックの勢いをそのまま綺麗にノベライズしてのけた、まみず先生の筆力に改めて脱帽。
そしてエルシィが可愛い。ひょっとしたら原作より可愛くないかこれは。
一人目に攻略した吉野麻美についてはストーリーもよくできていて何一つ文句がなかったのだが、二人目に攻略した天美透について、いかんせんラストで駆け足だった印象が拭えなかった。あと50ページ追加してくれていたらと思うと溢れてくる感情が止まらなくなりそうになる。そこさえ改善されていたらほぼ間違いなく十二分なクオリティの作品になっただろうに……。
一か所だけ不満点は残ったがそれを考慮に入れてもこれはいい本だった。原作が好きな人にお薦めしたい。