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ロウきゅーぶ! 2 [☆☆☆☆]

ロウきゅーぶ! 2 (電撃文庫 あ 28-2)ロウきゅーぶ! 2 (電撃文庫 あ 28-2)
蒼山 サグ

アスキー・メディアワークス 2009-06-10
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 部長のロリコン疑惑解決から一ヶ月、ようやく周囲の噂も落ち着いてきた今日この頃。バスケへの想いを再燃させてくれた大恩ある少女たち五人のため、昴は再び慧心学園バスケ部のコーチに返り咲く。そして彼女たちのさらなる成長を目指し、小学校で合宿を行うことになったのだが、解決しなくちゃいけない問題は山積みで、
 「ふぁ……見てる。昴さんが、こっちっ」(湊智花)
 「ひな、おにーちゃんに見て欲しいなー」(袴田ひなた)
 「……まー、すばるんもヒトノコだしな」(三沢真帆)
 「えへへ。紗季ちゃんはどうなのかな?」(香椎愛莉)
 「ちょっと私まだそういうのは興味がっ」(永塚紗季)
それ以上に色々な意味での問題も山積みでして──!?
 悩み多き少女たちに振り回されつつもさわやかローリング・スポコメディ!②



 第十五回電撃小説大賞に颯爽と舞い降りた、読者のSAN値を急激に低下させることに定評のあるロリきゅーぶの二巻がついに登場。今月は電撃の新刊の早売りがなかったせいで読みたくて読みたくてうずうずしていたことを思い出す。
 そして読み終わってすぐの感想が「前回よりもさらにSAN値を下げてきただと!?」の一言で尽きてしまい我ながら噴いた。どういうことなの……。

 一巻では想定外にまっとうなスポコンものとして読者を驚嘆の渦に巻き込んだが、今回は打って変わって試合の持つようなヒートアップさせる展開は抑えめ。
 今回は合宿を通しての竹中と真帆の仲直りに主眼を置いている。竹中と真帆のいかにも子供っぽい意地の張り方であったり、以前から仲が良かったことへの話の持っていき方といい、仲直りのシーンといい、絶妙に上手い。
 そういう点が、作中でのカオス展開で強調されているかな。……合宿という時点でもう荒ぶる業しか感じられないのだが、Scene.2出だしの『なぁにこれぇ』展開であったり、深夜に竹中とともかがいなくなって捜索に向かった先で謎の布を回収したり、色々あって昴が智花の布団に潜り込んだり、ラストの見開き挿絵であったり。……ここまでカオスなところを抜粋してみるだけでもう噴けるんだがどうしてくれる。気になった人は読んでみよう。この混沌は実際に読んでみないとわからないものを含んでいると思うんだ。
 今回はやけにひなたがいいキャラをしているなという印象。下手すると真帆より目立ってないかこれ。多分自分の気のせいであろうとは思うが。あとひなたの寝巻姿がパチェにしか見えない。こんなことをしれっと考えている自分がとっとと爆発すべきなのは確定的に明らか。
 
 それにしても主人公の幼馴染である葵が序盤に登場して軽くフラグを立てたかと思わせてそれ以降全く登場しないというまさかの展開に腹筋をやられた。何がしたかったし。
 キャラ立ちはそれなりにしているので、続刊で何らかの展開に絡めていくことは容易であろうとは思うが、今回だけで考えると登場させた意味がさっぱりわからない。まさか、こういう形で考えさせることで存在感を強調させるという蒼山先生のテクニックだとでもいうのか……!? 違うだろうなぁ。

 相変わらず水準以上の出来で非常に楽しめたのだが、やはり熱い展開がなかったのは痛かったかな。あらゆる意味において素晴らしいことに変わりはないが。しかし大会などのフラグを立てているので、その辺りは続刊に期待してもいいだろう。
 あぁ、今から三巻のことを考えるとwktkが止まらない。楽しみすぎる。
 あと作中の交換日記SNSがTwitterに見えてきた自分は間違いなく中毒。
 
 蒼山先生、四国のお遍路中にこの作品が生まれたって貴方……

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プロフィール

ISOLA(空)

Author:ISOLA(空)
京都の某大学に通う理学部2回生。SF・幻想文学研の片隅にひっそりと属する、岸田教団の狂信者。Twitter上では地雷ラノベを嗜む人として周りから「やべえ」と言われる狂気じみた日々を過ごしている。減らない積読を見ながら毎日読書に励んでいるが、古本極道になってしまったせいでむしろ積読が増えるようになった、そんな無計画読書ライフを楽しむ廃人。

この『とある奇人の読書目録』では、主として
・日常の雑記
・ラノベ
・SF・幻想文学
・東方
を話題として取り扱っております(多分)。

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